考え方

【Global Rich List】統計データまとめサイトから企画作りのヒントを学ぶ

管理人
管理人
データまとめサイトを運営している管理人です。

今回は、『GLOBAL RICH LIST』という統計サイトから企画作りのヒントを学びます。

結論ファースト

  • 自分の年収が世界で何位か分かるサイトが面白い
  • シンプルだけど長年世界中で使われている
  • サイトの企画が大変参考になる

GLOBAL RICH LISTとは

『GLOBAL RICH LIST(グローバルリッチリスト)』は、国名・年収(通貨の単位と金額)を入力すると、

 

自身の年収が世界で上位何%に入るのか?そして、世界70億人のうち何番目なのか?を一瞬で調べることができるサイトです。

 

管理人は小学校時代の頃から存在を知っている、古参の統計サイトです。十数年振りに使ってみようと開いたら、最近閉鎖されたようです‥。

 

サイトの企画力に優れているなと思いましたので、記事にまとめました。Webサービスでデータ活用を目指す人たちの参考になればと思います。

GLOBAL RICH LISTの使い方

『GLOBAL RICH LIST』を知って貰うために、簡単にデモンストレーションしましょう。

 

サイトにアクセスすると、【INCOME】(収入)のタブと【WEATH】(資産)の2つのメニューがあります。

INCOME (年収)

タブは【INCOME】のままにして、①国名・②年収を入力してみましょう。

 

※ 今回は、①JAPAN(YEN)を選択して、日本人サラリーマンの平均年収である、450万を入力しました。

【show my resulys】実行後、プログラムが結果を表示してくれます。

 

年収450万円稼ぐ人は、世界全体の0.56%(約200人に1人)で、約3379万位であることが分かりました。

年収450万円は、時給は2343円で、ガーナの平均的な労働者の時給は9.35円というデータ、

ジンバブエの平均的な労働者が同じ額を稼ぐには、約40年かかるという試算データ、

インドネシアの平均的な労働者がコーラを買うために必要な労働時間は、1時間33分必要といったデータ、

450万円あれば、マラウイでは246人のドクターが雇えるといったデータを返してくれます。

最後は、「もう少し豊かにしませんか?」と、寄付のお願いが出てきます。

 

国名(通貨)と金額(年収額)が変数になっていて、都度データの出力結果を変えることが出来ます。

WEALTH(資産)

続いて【WEALTH】にタブを切り替えて、①国名・②資産額(不動産・所有物・金融資産)を入力しましょう。

 

※今回は、日本人の平均貯蓄額である約1600万に合わせるために、全て500万(計1500万円)で入力しました。

【show my resulys】実行後、プログラムが結果を表示してくれます。意外にも、1500万の資産は、世界全体の上位6.71%でした。

 

※日本人の場合、資産を不動産で持っている人も多いので、年収の時と比べて、貯蓄額の値だと少し低めに出てしまうようです。

 

下にスクロールすると、募金額の15円が自分の資産に占める割合データ、

資産の1%でジンバブエの4人家族を2年賄えます。といったデータ、

ミャンマー人の資産に換算すると96人分です。といったデータ、

マラリアを防ぐ蚊の殺虫ネットを2.4万個買えます。といったデータを返してくれます。

最後は、「もう少し豊かにしませんか?」寄付のお願いで締めくくられます。

 

年収1000万円では?資産額1億円では?といった具合に、興味がそそられる作りになっています。

GLOBAL RICH LISTの企画力

『GLOBAL RICH LIST』は、仕組みはシンプルです。同サイトで出来ることは、上で説明したことで全てだったりします。

一方で、世界中のメディアで取り上げられ、先進国を中心とした学校教育の場でも度々使われるほど、人気のWebサイトです。

 

また、2003年から15年以上運営されてきた長寿サイトです。1つのアイディアでこれだけ長く使われているサイトも珍しいです。

 

同サイトが世界中で話題になる背景には、優れたサイトの企画方法が関係していると考えられます。管理人が優れていると感じた点は、以下4つです。

① データーの切り取り方・見せ方が良い

サイトのソースとなるデータは、世界銀行国連・国際労働機関のオープンソースデータから集計しているようです。

 

ここで世界各国の人口や平均所得などのデーターを取り、サイトの統計結果に活用しています。

 

その際、取得した生データをそのまま使うのではなく、見せ方を変換している点が、工夫されています。

■変換前(よくあるデータ)

  • 世界各国の人口データ
  • 世界各国の平均所得データ

■変換後 (こっちが面白い!)

  • 『自分の年収は上位何パーセント?』
  • 『自分は世界で何番目に金持ち?』

② データの表現方法が良い

『自分の年収・資産と世界の立ち位置を知れるサイト』というアイディアだけでも面白いですが、データをより具体的にイメージして貰えるように工夫しています

 

図やアニメーション、例え話(医者を何人雇える。コーラを飲むには、何時間働かなくてはいけないなど)を使った比較などを交えている点は、データの表現方法として、分かりやすくて興味深いと思いました。

③ 真のユニバーサルデザイン

年齢や能力・状況などにかかわらず、できるだけ多くの人が使いやすいような設計をユニバーサルデザインといいます。

 

同サイトは、プルダウンから国名を選択して、年収を打ち込むだけですので、小学生でも使うことが出来ます。

 

さらに言語の壁を感じさせず、世界中の人が直感的に使えるという意味でも、真のユニバーサルデザインのサイトともいえます。

④ マネタイズもさりげなく

人気のWebサイトのため、広告を貼り付けてお金を稼ぐことも出来ますが、あえて商業的な匂いのするものは消し去って、慈善団体への寄付という面で収益化をしています

 

同サイトはイギリスの会社が運営していています。募金額の多寡はともかくとしても、世界中のメディアで取り上げられるサイトですので、企業の認知度・影響度を高めるためのPRサイトとしても悪くないかと思います。

 

※ 一見すると、企業の社会貢献的な位置付けのWebサイトでもありますが、サイトの活動を支援するための募金が月数千ドル集まっているそうです(2007年。直近のデーターは不明)。

 

優れた企画力が世界中でシェアされ、人気サイトを作りだしたに違いありません。

まとめ

『GLOBAL RICH LIST』という、統計サイトに関してまとめました。

要点まとめ

  • 自分の年収が世界で何位か分かるサイトが面白い
  • シンプルだけど長年世界中で使われている
  • サイトの企画が大変参考になる

 

社会的に意義があったサイトだけに、現在は閉鎖されていることは大変残念です。しかし、1つのアイディア(コンセプト)をベースに世界中で十数年も使われるサービスが生まれた点は夢がありますね。

 

2021年08月現在、類似サイトが出てきていますが、使ってみて物足りなさを感じます。やはりアイディア(コンセプト)だけでなく、サイトの企画力(データの見せ方・表現方法など)も良くなければ、良いサービスは生まれないようです。

【サービス紹介】

当サイトで共有しているツールが、自分のPC環境で動作しない。ツールをアレンジしたいなどの相談・依頼があれば、有償サービスを出品しています。

※ 多忙のため、現在依頼を停止しています。

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